ライフ・オン・アース?(LIFE ON EARTH?)

Saturday, June 28, 2008, 12:32 AM | Posted by Supporters

撮影は後半戦。その日は町人ではなくめずらしく●●軍の兵士役だった。いつもは気持ちはスーダラで身軽な感じの町人役をふられるのだが今回は明日は我が身と知れぬ殺伐とした中で生きる兵士役。そんな事は前もって聞いてないのでうれしくもありつつもともかく付け焼き刃的だろうが雰囲気が大事だと思っているのでいつもより多少衣装とメイクの時間を割いた後、現場の隅の人の邪魔にならない場所で抜刀と血振りと納刀を数回繰り返した。そしていつもより心持ちピシッとした面持ちで現場に望む。この間まで街の一角だった場所が数日にしてある場所に早変わり。まさにこれぞ活動屋の世界。目の前には●●役の役者さんがまるでオランダ帰りの坊さんのような出で立ちでおられる。その近くにはまるで人間山脈、はたまた一人民族大移動と言わんばかりに壁のように立ち尽くす某スポーツ選手。正直その現実を越えた途方もない大きさに圧倒された。

基本的に役者たるもの現実の社会ではありえない事が出来るマッドな、つまり気の振りきれた役が基本的に大好きな種族なので●●さんが今回演じておられる役は僕が参加したこのワンシーンだけを見てもかなりあっちに行ききっている役だと思われ、心なしか●●さんはこの映画に参加されている事がすごく楽しそうに見えた。(このキャスティングが●●さんのフィルモグラフィを見るなりかなりムムムなキャスティングなんでした)今回現場を踏んで個人的に意外だと思ったのはこちらは『cassharn』のメイキングやコメンタリーを聞いたりして監督の演出の嗜好みたいなものを先に予習してきているので、現場ではもうちょっとカリカチュアした舞台よりな芝居を要求されるのかと思っていたら、かなり映像的で緻密な芝居を要求されたので完全に予想が外れてしまったことだった。(ま、そりゃエキストラにまで力量が試される舞台芝居は要求しませんわね…)

今日撮るシーンの解説の後しばらくして撮影がはじまる。そして何度かテストを重ねて撮影を繰り返すうちあることに気付いた。●●役の役者さんが撮影する前に“マ”に濁点をつけたような感じの音でかなり特徴的に喉を鳴らされるのだ。その行為は実に興味深く僕は芝居しながらも●●さんの一挙手一投足に見入ってしまった。かなりリズミカルにされるその喉鳴らしはスタッフさんもやはり気になったらしく密かにモノマネされたりしていた。やはりあれだけの印象的な喉鳴らし。何らかの理由があって●●さんはやっているに違いない。僕は一役者としてかなり印象的に引っ掛かったので後日ご本人に打ち上げの際にお会いした時お聞きしてみた。すると●●さんはまるで達観された求道者のような顔つきで答えられた。

●●「あれが出るときはいちばん集中しているときで調子がいいんだよ。別の映画で監督があれを気に入って役に取り入れたことがあったな。」

何事も聞いてみるもんである。役者が十人いれば文字通り十人十色。その役者なりの役作りの仕方や指向がある。そしてそれらを一つの絵で見せ、けっしてその世界観からブレないように調整して全体を指揮するのが現場での映画監督の役目である。監督と●●さんの芝居に対する全幅の信頼をおいたやりとりは穏やかながらプロ対プロのまさに試し合い瞬間だった。その日の撮影は現場好きを自認する人間としては悲しくかなり短い時間の参加だったのだがそれ以上に今後ためにいろんな刺激受けた大変有意義な一時であった。

と、ここまできて読んできた方ならこの俳優さんは一体誰なのかという事が気になる方がいらっしゃるだろう。しかしお楽しみというものは後にとっておいた方が喜びが増すもの。是非公式発表まで首を長くしてお待ちいただきたいと思う。。。

Tell me how long must I keep wanting things needing when I have so much.

written by shoe-G(put on my loyalty for the GOEMON)